パジリク文化(読み)ぱじりくぶんか(英語表記)Пазырык/Pazïrïk

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パジリク文化」の意味・わかりやすい解説

パジリク文化
ぱじりくぶんか
Пазырык/Pazïrïk

ロシア南東部、南シベリアの山地アルタイに、紀元前6~前3世紀に栄えた遊牧民の文化。その代表的な遺跡であるパジリク古墳群で1929年に凍結墳墓が発見され、世界的に有名になった。墳墓はいずれも積石(つみいし)塚で、地下約4メートルの所に丸太造りの墓室があった。このような構造と大陸性気候のため、墳墓造営直後に浸透した水が凍ってそのまま凍結状態となり、腐食しやすい木、皮革、絹などの製品もほぼ完全に残っていた。また遺体もミイラ化して、皮膚に施された入墨(いれずみ)もはっきりと残っている。出土品には、スキタイ文化との関連を示す動物文様の装飾品が目だつが、ペルシア絨毯(じゅうたん)や中国の鏡などもあり、遠隔地との交易が行われていたこともうかがわれる。その住民を、中国史料にみられる月氏(げっし)とみなす説もある。

[林 俊雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android