バーフタラーン州(読み)バーフタラーン(英語表記)Bākhtarān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーフタラーン州」の意味・わかりやすい解説

バーフタラーン〔州〕
バーフタラーン
Bākhtarān

旧称ケルマーンシャーハーン州 Kermānshāhān。イラン西部の州で,西はイラクと国境を接する。州都はバーフタラーン。カールーン川の肥沃渓谷があり,北西から南東ザグロス山脈が横切る。西部の気候温暖な山麓と,河谷の肥沃な低地,夏季に暑く冬季に降雪が多くて寒いがよく耕作されている高地の渓谷,冬が長くてきびしく夏は放牧地とされる山地から成る。降水量は 500~900mmと比較的多く,各地で穀物が栽培され,国内では最も豊かな農業地域の一つである。高地の渓谷は広く灌漑が発達し,穀物,果物,野菜が主要作物で,国内各地へ送り出される。丘陵部はよい牧場となっている。住民はクルド人が多く,定住または半遊牧の生活をおくっている。アケメネス朝ササン朝の記念建造物,先史時代の遺跡が多い。面積2万 3622km2。人口 146万 2965 (1986) 。

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