バブコック(Horace Welcome Babcock)(読み)ばぶこっく(英語表記)Horace Welcome Babcock

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バブコック(Horace Welcome Babcock)
ばぶこっく
Horace Welcome Babcock
(1912―2003)

アメリカの天文学者磁変星の発見者。カリフォルニア州パサディナで生まれる。父ハロルドHarold Delos Babcock(1882―1968)はウィルソン山天文台員で、太陽の黒点磁気および一般磁場の研究での第一人者である。父に倣って共同研究を推進した。まずマサチューセッツ工科大学およびカリフォルニア工科大学で修業し、夜光の明るさや銀河の回転を測定した。1946年に父の天文台に入った。この年おとめ座78番星に太陽の約1000倍の磁場を検出、しかもそれが周期的に変化することを発見した。1951年太陽マグネトグラフ器を考案、1959年に太陽もまた磁変星の一つであることを発表した。彼のおもな研究分野は天文観測機器に関してであり、1992年まで、つまり80歳近くまで、望遠鏡補償光学に関する論文を多数発表していた。カリフォルニア州サンタ・バーバラにて死去

[島村福太郎・松田卓也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例