ハリルツァー・ドー(英語表記)Xarilcaa duu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリルツァー・ドー」の意味・わかりやすい解説

ハリルツァー・ドー
Xarilcaa duu

モンゴルの謡い物の一形式。「かけあい歌」の意で,登場人物が互いに歌でやりとりし,間に地の文が入る。モンゴルの文芸形式のなかでは非常に古いもので,他の多くの語り物の形式とともに,モンゴル文芸全般に方向性を与えた基本的形式。 1930年代にボルガ河岸で発見された蒙古語文の「白樺文書」には,13~14世紀の事柄がハリルツァー・ドーで描かれていた。テーマ大小により,小は 30行から,大は 1000行にも及ぶ作品がある。現在でも新しい内容を盛込んだ作品が生れ,また,現代モンゴル演劇,歌劇などは,このハリルツァー・ドーを基本として発展したものであると考えられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android