ハマスゲ(浜菅)(読み)ハマスゲ(英語表記)Cyperus rotundus; coco grass

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマスゲ(浜菅)」の意味・わかりやすい解説

ハマスゲ(浜菅)
ハマスゲ
Cyperus rotundus; coco grass

カヤツリグサ科多年草で,コウブシまたはクグともいう。ほとんど全世界に分布し,日本では関東地方以西の本州,四国,九州の海岸の砂浜河原日当りのよい原野に生える。細い地下茎が横に長くはい,その先端に塊茎を生じる。稈は塊茎から直立し高さ 20~30cm,基部に数枚の葉を叢生する。葉は線形でやや硬く光沢のある深緑色で,下部葉鞘となり稈を包む。夏から秋にかけて,葉の間から花茎を出し,先端に狭線形の総包片を1~3枚生じ,その中心から数本の茶褐色の花序を出す。塊茎からひげ根を焼いて取去り,乾燥させたものを香附子 (こうぶし) と呼んで通経,鎮痙の婦人薬として用いる。

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