ノリアサ(読み)のりあさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノリアサ」の意味・わかりやすい解説

ノリアサ
のりあさ / 糊麻
[学] Abelmoschus × glutinotextile Kagawa

アオイ科(APG分類:アオイ科)のオクラトロロアオイとを交雑してつくられた人工種間雑種作物。高さ2メートル。葉は大きな掌状、花は黄白色の大輪五弁で、花の中央に赤褐色の斑(ふ)が入る。果実は稜(りょう)のある角(つの)状で、熟すと黒色となり裂開する。種子は径約5ミリメートル、黒色の丸薬状である。花も葉もトロロアオイによく似ている。植物体に糊(のり)質を含み、和紙を漉(す)くときの糊に用いられる。この糊はもともとトロロアオイからとっていたが、ノリアサはそれより糊の収量が多い。また茎からとれる靭皮(じんぴ)繊維は、アサに似て強く、紐(ひも)、袋、敷物などに織られる。名は、同一植物から糊とアサ状の繊維がとれることによる。

[星川清親 2020年4月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例