ニガカシュウ(読み)にがかしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニガカシュウ」の意味・わかりやすい解説

ニガカシュウ
にがかしゅう / 苦何首烏
[学] Dioscorea bulbifera L.

ヤマノイモ科(APG分類:ヤマノイモ科)の多年生つる草。地下に扁球(へんきゅう)形の塊根(いも)をつくる。葉は互生し、円心形で、長さ、幅ともに5~16センチメートル、切れ込みはなく、無毛。葉柄は長さ3~10センチメートル、腋(えき)に肉芽ができる。雌雄異株。8~9月、雌・雄花序ともに下垂するが、普通みられるのは雄株で、雌株はきわめて少ない。花はともに無柄、雄花は雄しべ6本。暖帯原野や林縁に生え、本州から沖縄、および中国、インド、マレーシア、オーストラリア、アフリカ、熱帯アメリカに分布する。中国原産のカシュウイモは本種の栽培品種で、いも、肉芽ともに苦味が少ない。

 名は、全形がタデ科(APG分類:タデ科)のツルドクダミ(根を漢方で何首烏(かしゅう)と称する)に似て、いも、肉芽ともに苦いのでいう。

[清水建美 2018年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例