ナミビア問題(読み)ナミビアもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナミビア問題」の意味・わかりやすい解説

ナミビア問題
ナミビアもんだい

第2次世界大戦後,アフリカ最後の植民地として南アフリカ共和国の違法統治の下に置かれてきたナミビアの独立をめぐる問題。 1990年の独立達成まで民族解放組織である南西アフリカ人民機構 (SWAPO) と南アの支援を受ける白人勢力との対決が続いた。 75年以降,周辺の白人支配地域の相次ぐ独立達成の中で,南アのナミビア支配は逆に強まり,自らが主導した制憲会議の多数派である民主ターンハレ同盟 (DTA) を中核とする政権樹立を試みた。一方,SWAPOをナミビア住民の代表とみなす国連は,その監視下での安保理決議 435号に基づく選挙を求めたが,85年には同決議を無視した形で暫定政府を樹立した。しかし大多数の住民はこれに反発,結局 89年末には国連ナミビア支援グループ (UNTAG) の協力の下に制憲議会選挙が行なわれ,最終的に SWAPOが勝利した。

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世界大百科事典(旧版)内のナミビア問題の言及

【ナミビア】より

…第1次世界大戦中,南アフリカ連邦が南西アフリカを占領し,戦後,国際連盟の下で南西アフリカは南アの委任統治領となった。南アは人種隔離政策を南西アフリカにも適用し,第2次世界大戦後,国際連合が南アに南西アフリカの信託統治領への移行を勧告したが,南アはこれを拒否し事実上自国領としたため,のちの〈ナミビア問題〉が起こった。 国連総会は南西アフリカの国際法上の地位について1949年に国際司法裁判所に提訴した。…

※「ナミビア問題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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