ナジ(Nagy Imre)(読み)なじ(英語表記)Nagy Imre

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ナジ(Nagy Imre)
なじ
Nagy Imre
(1896―1958)

ハンガリーの政治家。カポシュバール生まれ。機械工の出。第一次世界大戦中にロシア戦線で捕虜になり、赤軍に参加した。帰国して非合法農民運動を指導。1929年旧ソ連に亡命し農業研究所に所属、第二次世界大戦中には祖国向けのモスクワ放送(現ロシアの声)を担当した。1944年に農相として農地改革を指導、1945年内相、1952年副首相に就任した。1953年に首相になり、農業、消費財生産重視の新路線を実施したが、1955年に解任された。1956年のスターリン批判後、民衆の要望に推されて10月24日に首相に復帰したが、ソ連軍介入後デモが暴動化し、収拾不能になった。11月1日にワルシャワ条約機構脱退を宣言。ソ連は4日に再介入し、ナジはユーゴ大使館に避難した。22日に身柄の自由を保証されて館外へ出た直後ソ連当局に連行され、1958年にその処刑が発表された。

木戸 蓊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例