トリノ・オリンピック冬季競技大会(読み)トリノ・オリンピックとうききょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

トリノ・オリンピック冬季競技大会
トリノ・オリンピックとうききょうぎたいかい

イタリアのトリノで開催された,第20回オリンピック冬季競技大会。2006年2月10日から 26日まで行なわれ,80の国と地域を代表する約 2600人の選手が参加した。イタリアでは 1956年のコルティナダンペッツォ・オリンピック冬季競技大会以来 50年ぶりの開催となった。競技会場が 7ヵ所の村に分散されることになったが,夜に行なわれるメダル授与式はトリノ中心部にあるカステッロ広場で開催され,多くの観客を集め祝祭ムードを盛り上げた。スピードスケートの団体追い抜き(チームパシュート),バイアスロンのマススタート(一斉スタート),スノーボードクロス(→スノーボード)といった新種目が加わった。新種目の女子スノーボードクロス決勝では,大きくリードして優勝目前だったアメリカ合衆国のリンゼイ・ジャコベリスがゴール直前で転倒し,スイスのトーニャ・フリーデンに大逆転を許すというドラマがあった。スノーボードのハーフパイプでは,アメリカのスター,ショーン・ホワイトが金メダルを獲得した。アルペンスキーの女子ではオーストリアのミハエラ・ドルフマイスターが滑降スーパー大回転で優勝するなど,オーストリアが 14個のメダルを獲得した。ショートトラックスピードスケートでは,男子のアン・ヒョンス(安賢洙)と女子のチン・ソンユ(陳善有)がそれぞれ 3個の金メダルを獲得するなど,大韓民国(韓国)が合わせて 10個のメダルを獲得した。女子スピードスケートではドイツのクラウディア・ペヒシュタインが団体追い抜きで金メダル,5000mで銀メダルを獲得し,オリンピック通算獲得メダル数が歴代最多の 9個となった。日本からは男子 59人,女子 53人が参加したが,女子フィギュアスケート荒川静香が獲得した金メダルが唯一のメダルだった。

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