トゥサン・ルベルチュール(読み)トゥサンルベルチュール

百科事典マイペディア の解説

トゥサン・ルベルチュール

ハイチ独立革命の指導者。フランス領植民地サン・ドマングの農園奴隷の子として生まれる。1791年フランス革命の影響を受けて起こった黒人奴隷反乱に加わり,組織化に指導力を発揮。1794年奴隷制を廃止したフランス革命政府側について黒人軍を率い,介入したイギリス軍を撤退させた(1798年)。1801年東部(1795年のバーゼル条約でフランス領)に進撃して全島掌握,独自の憲法を制定して自ら終身総督となり,実質的に黒人の独立体制を確立したが,同年末には,植民地保持と奴隷制度再建をはかるナポレオンの遠征軍に捕らえられ,フランスで獄死。しかし戦いは続けられ,遠征軍を破って1804年1月ハイチ共和国の独立が宣言された。
→関連項目カリブ海奴隷廃止運動ハイチ

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