ディーゼルノック(読み)でぃーぜるのっく(英語表記)Diesel knock

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディーゼルノック」の意味・わかりやすい解説

ディーゼルノック
でぃーぜるのっく
Diesel knock

ディーゼル機関において生ずるノッキング。ディーゼル機関では、噴射された燃料高温の圧縮空気中で気化し自発的に燃焼するので、噴射時のシリンダー内空気温度の低いときや、燃料の自発点火温度の高いときには、燃焼までに多くの燃料が気化し、そのため急激に圧力が上昇してノック音を生ずる。セタン価軽油着火性良否を表す数値)の低い燃料を用いたときや、シリンダー壁の冷えているときに多くおこる。

[吉田正武]

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化学辞典 第2版 「ディーゼルノック」の解説

ディーゼルノック
ディーゼルノック
diesel-knock

ディーゼルエンジンで起こるノッキング現象で,高速ディーゼルエンジンにおいて,発火性の不良な燃料を用いると,発火遅れが長く,蓄積した燃料が一時に燃焼を起こすために起こる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のディーゼルノックの言及

【ディーゼルエンジン】より

…第3,4期は燃料蒸気と酸素との拡散混合につれて燃焼が進むから拡散燃焼期間である。 前述の第2期で圧力の上昇が激しくなると,ディーゼルエンジン特有の打音(ディーゼルノック)が生じ,騒音の原因となるだけでなく,構造部材に過大な応力を与えるので好ましくない。これを避けるには,(1)第1期の着火遅れ期間を短くすることと,(2)着火遅れ期間中の噴射量を減らすことにより第2期で急激に燃える混合気の量を低減させればよい。…

※「ディーゼルノック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」