タンネモイ(読み)たんねもい

日本歴史地名大系 「タンネモイ」の解説

タンネモイ
たんねもい

漢字表記地名「丹根萌」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか山名としても記録されている。エトロフ島南端近くの湾奥に位置する。天保郷帳には「ヱトロフ嶋」のうちに「タンネモイ」とみえ当地一帯は近代に入り丹根萌たんねもえ村に包含された。仮名表記は「タンネモイ」(木村「蝦夷日記」、「東蝦夷地場所大概書」「東行漫筆」)、「タン子モイ」(「蝦夷巡覧筆記」「東行漫筆」など)のほか「タン子モヱ」(蝦夷巡覧筆記)、「タンネムイ(夷諺俗話)、「タン子ムイ」(「東行漫筆」、「蝦夷日誌」三編)がある。漢字表記は「旦根茂居」(寛政一二年「恵登呂府村々人別帳」近藤重蔵蝦夷地関係史料)、「多武禰母夷」「太牟涅門夷」「丹禰母夷」(児山「蝦夷日記」)がみられる。語義について木村蝦夷日記」は「円欠(長湾)ノ処ヲタンネモイト称ス」(寛政一〇年七月二七日条)と記し、「蝦夷日誌」(三編)も「円欠の処を云り」とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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