タンキリマメ(痰切豆)(読み)タンキリマメ(英語表記)Rhynchosia volubilis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンキリマメ(痰切豆)」の意味・わかりやすい解説

タンキリマメ(痰切豆)
タンキリマメ
Rhynchosia volubilis

マメ科のつる性多年草。日本の暖地から,朝鮮半島,台湾,中国,フィリピンにかけて分布する。関東以西の各地の山野に多い。茎はつる状で長く伸びて他物にからみつき,葉とともに褐色の毛でおおわれる。葉は3出複葉で特に下面に毛が多い。小葉は卵円形で長さ,幅ともに3~5cmである。夏に,葉腋に短い総状花序をなして黄色の蝶形花を 10~20個つける。莢の表面はなめらかであるが縁には毛があり,2個の黒色種子を生じる。和名は,本種の豆を食べると痰が止るという意味である。ごく近縁の種にトキリマメ (オオバタンキリマメ) R. acuminatifoliaがあり,タンキリマメに比べて小葉がやや大きく毛が少い。

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