日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ソシュール(Nicolas Théodore de Saussure)
そしゅーる
Nicolas Théodore de Saussure
(1767―1845)
スイスの植物生理学者。ラボアジエによって基礎づけられた近代化学の定量的方法を用いて、初めて植物体をつくっている物質やその起源について研究し、その結果を『植物の化学的研究』(1804)にまとめて発表した。そのなかで、植物体にみられる炭素は、根によって土中から吸収されるのではなく、空気中の二酸化炭素が光の存在下で吸収され、水と結合して植物体の重量増加をもたらすこと、また、吸収される二酸化炭素量は、放出される酸素量と等しいことも確かめ、光合成の化学的研究の基礎をつくった。父のオラス・ベネディクトHorace-Bénédict de Saussureは地質学者で、近代登山の創始者でもあった。
[真船和夫]
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