日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スティーブンズ(John Stevens)
すてぃーぶんず
John Stevens
(1749―1838)
アメリカの発明家。裕福な家庭で育ち、コロンビア大学で法律と技術両方の学問を学んだ。弁護士になったが、独立戦争に従軍後、ニュー・ジャージー州の財政部長などを務めた。1787年蒸気機関の改良を行い、1788年には多管汽缶を製作した。この発明を守るために国会に請願して特許法(1790)を通過させ、今日の特許制度の基礎を築いた。フィッチとラムゼーJames Rumsey(1743―1792)の開発した蒸気船に興味をもち、自ら蒸気船の開発にとりかかった。1804年、凝縮器を備えた最初の複動機関を積み込んだ蒸気船を建造し、1811年にはホボーケン―ニューヨーク間に、世界最初の蒸気船を利用した渡船場を設立した。また、鉄道建設の計画ももっており、ランカスター―フィラデルフィア間の鉄道建設の権利を獲得していたが、施工するには至らなかった。
[雀部 晶]
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