スクリーン(印刷用語)(読み)すくりーん(英語表記)screen

翻訳|screen

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スクリーン(印刷用語)」の意味・わかりやすい解説

スクリーン(印刷用語)
すくりーん
screen

印刷用語としては、印刷用の網版(あみはん)をつくるときに用いる特殊なフィルムのこと。網目スクリーンともいう。新聞の写真をよく見ると、小さい点で構成されていることがわかる。この点(網点)が大きい部分は明視の距離から見ると濃く、小さい網点部分は淡く見える。版の上に同じ厚さのインキが乗っていても濃淡のあるように感じさせている。原稿の写真を一度複写して版を作成するとき、スクリーンを感光フィルムに密着させて撮影すると網版ができる。スクリーンには、小さい同じサイズの網点が無数につくってあるが、一つ一つの網点の周囲はぼやけている。このぼけぐあいによって感光フィルムには大小の網点ができる。スクリーンの網点は1インチ(約25ミリメートル)に何個あるかで粗さ・細かさを表し、たとえば80個あるものは80線のスクリーンとよぶ。普通、80線から200線くらいまでが利用され、新聞のように更紙(ざらがみ)の場合は80線くらい、雑誌の口絵のようにコート紙の場合は175線から200線くらいまでを使う。細かい線数のほうが、写真の微妙な表現ができる。円い網点のほか砂目模様のスクリーンもある。現在では、スクリーンを用いず電子的に網点をつくっている。

[山本隆太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例