シュミット(Otto Yul'evich Shmidt)(読み)しゅみっと(英語表記)Отто Юльевич Шмидт/Otto Yul'evich Shmidt

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シュミット(Otto Yul'evich Shmidt)
しゅみっと
Отто Юльевич Шмидт/Otto Yul'evich Shmidt
(1891―1958)

ソ連の数学者、探検家、地球物理学者。ベロルシア(現、ベラルーシモギリョフに生まれる。ウクライナキエフキーウ)大学卒業後、同大学数学講師、モスクワ大学数学教授などを務めた。1928年パミール高原探検隊に参加。1932年ソ連の北洋航路総局長となり、北極圏開発の責任者として数回の探検を行った。砕氷船による探検を指揮したほか、1937年からは、現在でも北極海観測の有力な手段である、漂流する氷盤上に建設された漂流観測所での長期観測を指揮した。晩年は太陽系起源の問題を研究し、1948年、惑星の起源は太陽に捕捉(ほそく)された冷たい星間物質の雲であるとする説を発表した。著書に『地球成因論に関する四つの講演』(1950)がある。

[吉井敏尅]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例