サン-テミリオン地域(読み)サンテミリオンちいき

世界遺産詳解 「サン-テミリオン地域」の解説

サンテミリオンちいき【サン-テミリオン地域】

1999年に登録されたフランスの世界遺産(文化遺産)で、ボルドー地方の東部、ドルドーニュ川右岸のなだらかな丘陵地帯に広がる町。ワインの生産地として知られ、広大なぶどう畑には歴史の香りが漂う建造物が点在している。ワインの製造は古代ローマ帝国属州だった頃から行われてきたが、本格化したのは12世紀半ば、サン・テミリオンを含むアキテーヌ公国がイングランド王領となり、この地方の中心都市であったボルドーにワインの輸出特権が与えられたからである。そのため生産量は飛躍的に増え、14世紀には最盛期を迎えることになる。町の名前は8世紀半ば、この地に洞窟を掘って隠遁生活を送った聖エミリオンに由来し、洞窟や弟子たちが建てた聖堂も残されている。800年にわたるワイン生産の歴史を刻んだ場所として評価され、世界遺産に登録された。◇英名はJurisdiction of Saint-Emilion

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android