サンゴヤドリガニ(英語表記)Hapalocarcinus marsupialis; gall-forming crab; coral-inhabiting crab

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンゴヤドリガニ」の意味・わかりやすい解説

サンゴヤドリガニ
Hapalocarcinus marsupialis; gall-forming crab; coral-inhabiting crab

軟甲綱十脚目サンゴヤドリガニ科 Cryptochiridae。太平洋インド洋サンゴ礁に分布するカニ。雌は甲長約 5mmで,ハナヤサイサンゴショウガサンゴトゲサンゴなど,樹枝状サンゴが枝の先につくったこぶの中で生活する。こぶには小さな穴がいくつか開いており,水が出入りするが,カニは出られない。雌の甲は丸みのある縦長の四角形で,やわらかく,なめらか。鋏脚,歩脚とも細い。成長した雌の腹部は袋状になる。雄は甲長 1mmほどで,自由生活。サンゴヤドリガニ科は約 45種知られているが,キクメイシなど,塊状サンゴに掘った穴の中にすむケブカサンゴヤドリガニ Cryptochirus coralliodytes のような種が多い。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報