コバンノキ(読み)こばんのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバンノキ」の意味・わかりやすい解説

コバンノキ
こばんのき / 小判木
[学] Phyllanthus flexuosus (Sieb. et Zucc.) Müll. Arg.

トウダイグサ科(APG分類:コミカンソウ科)の落葉低木。枝は束生状に密に分枝し、末端の細枝は葉状枝といいやや扁平(へんぺい)で、葉を平面上に2列につけ、複葉のようにみえる。葉は長楕円(ちょうだえん)状卵形、長さ1~4センチメートル、幅0.6~2.5センチメートル、薄質で褐色を帯びる。卵状へら形で長さ2ミリメートルほどの托葉(たくよう)がある。雌雄同株。5~6個の雌花雄花を葉腋(ようえき)に束生する。雄花は4~5枚の花被(かひ)と2~3本の雄しべがあり、雌花は長楕円状卵形の雌しべ1個があり、花柱は3裂する。中部地方以西の本州、四国、九州の林縁に生える。名は、葉形が小判形であることによる。

[古澤潔夫 2020年6月23日]

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世界大百科事典(旧版)内のコバンノキの言及

【コミカンソウ(小蜜柑草)】より

…畑地雑草として,世界中の熱帯から暖温帯にかけて広く分布し,日本では関東地方以西に生育する。同属のコバンノキP. flexuosus Muell.Arg.は,本州の近畿地方以西,四国,九州の山地に生える落葉低木で,小判の形をした葉が短枝に互生し,秋には1枚の複葉のように短枝ごとに脱落する。【森田 竜義】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」