日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゲーレン(Reinhard Gehlen)
げーれん
Reinhard Gehlen
(1902―1979)
ドイツの軍人、諜報(ちょうほう)活動専門家。第二次世界大戦中、国防軍防諜部で旧ソ連関係の諜報活動責任者となり、きわめて正確な情報を収集してヒトラーを驚かせた。大戦末期にアメリカ軍に投降。戦後は、経験を買われてアメリカ軍から資金の提供を受け、ゲーレン機関といわれた対ソ諜報組織をつくり、鉄のカーテン背後の情報収集にあたった。1955年旧西ドイツ連邦政府情報部の責任者に起用されたが、1968年部下の2人がソ連のスパイであったことが判明、辞任した。
[藤村瞬一]
『赤羽龍夫監訳『諜報・工作――ラインハルト・ゲーレン回顧録』(1973・読売新聞社)』