グローバルGAP(読み)グローバルギャップ(英語表記)Good Agricultural Practices //GLOBALG.A.P//GGAP

デジタル大辞泉 「グローバルGAP」の意味・読み・例文・類語

グローバル‐ギャップ【グローバルGAP】

食品安全・労働環境・環境保全に配慮した農業生産工程管理GAP)の国際的な基準。また、それが適正に運用されていることを認証する仕組み。1997年にヨーロッパで「ユーレップGAP」として策定。2007年、現名称に改称された。

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知恵蔵 「グローバルGAP」の解説

グローバルGAP

農業における食品安全や環境保全、労働安全などについて、持続可能な取り組みを実践している生産者または生産者グループを対象にした、世界基準の認証制度。GAPは、「Good Agricultural Practices」(適切な農業の実践)の頭文字から取っており、農業版の国際標準化機構(ISO)とも言われている。世界120カ国以上に普及し、コストコマクドナルドウォルマートなど、世界の大手小売業が食材調達の基準としている。日本でグローバルGAPの普及、推進に取り組むGAP普及推進機構によると、2019年3月現在、世界で約20万7600(うち日本は約700)の農業者が取得している。
もともとは、生産者が農産物を大手小売業に納入する際の統一規格をつくろうと、1997年に民間団体の欧州小売業者農産物作業グループ(EUREP)が作成した「EUREPGAP」として始められた。2007年に現在の名称「グローバルGAP」に変更された。
農業生産者にとって、農産物の生産管理工程の取り組みについて、第三者から評価されることで、農業経営の改善や効率化、品質の向上、販路開拓などにつながるメリットがあると言われている。日本発の認証制度としては、日本GAP協会が食品の安全や環境保全の取り組みを行う農場を認証するJGAPがある。
グローバルGAPは、農産物だけでなく、畜産水産養殖にも適用される。認証取得のためには、品目によって異なるが、肥料や農薬の管理状況や労働環境の整備など、200以上の項目について現状を把握し、対策を取った後、認証機関の審査を受ける。初回審査は、原則として収穫期に行われる。

(南 文枝  ライター/2019年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「グローバルGAP」の解説

グローバルGAP

農業生産における様々な面での持続性に向けた取り組みでありその結果として安全で品質のよい農産物をもたらす「GAP」(Good Agricultural Practic:適正農業規範)の、ヨーロッパ発の世界認証のこと。運営主体は大手小売業者などからなる非営利組織フードプラス(本部ドイツ)。2000年に民間団体の欧州小売業組合(EUREP)がEUREPG.A.P.を設立し、07年、グローバルGAPに改名した。14年6月末時点で、欧州を中心に世界113カ国以上で実践されており、認証取得数は約14万件(日本196件)に上る。日本では、04年に片山りんご株式会社が初めて取得した。

(2015-7-29)

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