日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 グリーン(Thomas Hill Green)ぐりーんThomas Hill Green(1836―1882) イギリス・ヘーゲル学派の哲学者。オックスフォード大学教授。経験論、進化論、自然主義の倫理学を批判して、カントとヘーゲルの影響のもとに、認識の根源として普遍的絶対意識を想定する。批判的自由主義者の立場から、人間の行為が善を志向する「動機」に根ざしていることを強調し、自我実現説を唱えた。また、国家は共同意志に基づく道徳的共同体であると考えることによって、スピノザの克服を目ざした。主著は『倫理学序説』。[宮下治子 2015年7月21日][参照項目] | イギリス・ヘーゲル学派 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例