日本大百科全書(ニッポニカ) 「クール(スイス)」の意味・わかりやすい解説 クール(スイス)くーるChur スイス東部、グラウビュンデン州の州都。「クーア」と発音したほうが原音に近い。人口3万1551(2001)。プレスール川がライン川に合流する所にできた扇状地上にある古い都市で、ローマ人のラエティア(チロール地方一帯のローマ時代の呼称)支配とともにこの地方の行政、軍事の中心となった。1858年国鉄が開通し、州外の諸中心都市と結合して経済的発展の兆しがみられた。しかし1882年のゴタルト鉄道(ルツェルン―キアッソ間)の開通がグラウビュンデン州の峠交通を衰退させたため、この町の存立基盤も失われた。現在は州内商業の中心地。[前島郁雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例