クレビヨン(Prosper Jolyot de Crébillon)(読み)くれびよん(英語表記)Prosper Jolyot de Crébillon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クレビヨン(Prosper Jolyot de Crébillon)
くれびよん
Prosper Jolyot de Crébillon
(1674―1762)

フランスの悲劇作家。ボルテールの華々しい活躍があったにもかかわらず、18世紀には第二のラシーヌ待望論が絶えなかった。これを背景に登場したのがクレビヨンで、『イドメネ』(1705)の成功自信を得て、法曹界を捨て悲劇作家となった。しかし、『クセルセス』(1714)は失敗し、名声回復には『ピュロス』(1726)を待たねばならなかった。アカデミー会員に選ばれ、検閲官も務めた。息子の小説家クレビヨンに対しては「私の最大の駄作は息子」と許していた。

[植田祐次]

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