クフ王のピラミッド(読み)クフオウノピラミッド

デジタル大辞泉 「クフ王のピラミッド」の意味・読み・例文・類語

クフおう‐の‐ピラミッド〔‐ワウ‐〕【クフ王のピラミッド】

Pyramid of Khufu》エジプト北部、首都カイロ近郊の都市ギザにあるピラミッド。古代エジプト古王国第4王朝、クフ王のものとされる。巨大な四角錐の石造建造物で、基礎部分の一辺の長さ230メートル、高さ146メートル(現在は頂上部が崩壊し138メートル)。ギザの三大ピラミッドの中で最も大きい。隣接する太陽の船博物館では、ピラミッドで発見された太陽の船とよばれる世界最古の大型木造船を展示している。1979年、「メンフィスとその墓地遺跡、ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。ギザの大ピラミッド。クフ王の大ピラミッド。

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世界大百科事典(旧版)内のクフ王のピラミッドの言及

【帝王陵】より

…古代統一国家の成立が,経済的にも,技術的な面からも,これを可能にしたことは容易に推測することができるが,ピラミッドの建設が,ヘロドトスの記録しているように強制的なものであったかどうかは慎重な検討を要する問題である。すなわち彼は,最大のクフ王のピラミッドについて〈まずすべての神殿を閉鎖し,国民が生贄を捧げることを禁じ,つづいてはエジプト全国民を強制的に自分のために働かさせ〉て,〈国民を世にも悲惨な状態に陥れた〉という祭司たちの話を記し,続けて石を切り出して運搬するのに,つねに10万人が3ヵ月交代で働き,石材運搬の道路を建設するのに10年,同時に行われた墓室の建築に10年,ピラミッドそのものの造営には20年を費したという伝承を記録している(《歴史》松平千秋訳)。 秦の始皇帝が即位してまもなく,天下の刑徒70余万人を動員して陵をつくりはじめたというのも,この種の帝王陵の建造が,強制労働なしでは成立しないものであることを伝えようと意図したものであろうが,これらの記録を単純に信用すべきではなかろう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」