日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クズネツォフ(Anatoliy Vasil'evich Kuznetsov)
くずねつぉふ
Анатолий Васильевич Кузнецов/Anatoliy Vasil'evich Kuznetsov
(1929―1979)
ソ連の小説家。少年時代から働きながら小説を書き、1960年にゴーリキー文学大学を卒業。スターリン批判後に進出した作家たちの代表者の一人で、『伝説のつづき』(1965)など一連の社会的、倫理的テーマによる作品で有名となる。とりわけ、第二次世界大戦中の体験を基とし、キエフ(現、キーウ)におけるナチス・ドイツの暴虐を描いた『バービイ・ヤール』(1966)は世界的に好評を博した。1969年7月、レーニンの伝記的小説を書くための資料を集めると称してロンドンに赴き、そのまま亡命した。
[草鹿外吉]
『草鹿外吉訳『バービイ・ヤール』(1967・大光社)』