化学辞典 第2版 「キタサマイシン」の解説
キタサマイシン
キタサマイシン
kitasamycin
ロイコマイシン(leucomycin)ともいう.Streptomyces kitasatoensisの生産する十六員環マクロライド抗生物質.アシル側鎖の異なる A1,A3~A9,UおよびVなどの混合物が得られる.主成分は A3.いずれの成分も脂溶性かつ塩基性で,白色ないし淡黄色の粉末.無臭,味は苦い.エタノール,アセトン,エーテル,クロロホルムに易溶,四塩化炭素に可溶,水に難溶,石油エーテルに不溶.グラム陽性菌,リケッチア,クラミジア,マイコプラズマに有効.細菌リボソームの50Sサブユニットに結合し,ペプチド転移反応を阻止することによりタンパク質合成を阻害する.注射,内服または外用薬として使用される.[CAS 1392-21-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報