ガルニエ(Tony Garnier)(読み)がるにえ(英語表記)Tony Garnier

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ガルニエ(Tony Garnier)
がるにえ
Tony Garnier
(1869―1948)

フランスの建築家。オーギュスト・ペレと並ぶ現代建築の先駆者。リヨン生まれ。同地の美術学校に学び、1899年ローマ大賞を獲得してローマに留学。建築における鉄筋コンクリートの重要性をいち早く理解しただけでなく、都市を一つの有機的組織体として把握、また彼の社会主義的な考え方はリヨン市長エリオの共鳴をよび、一連の公共建築を委任される。公営と畜場(1909~13)、競技場(1913~16)、医療施設(1915~30)、電話交換局(1927)、「レ・ゼタジュニ」とよばれる住宅地(1928~35)などを設計。鉄筋コンクリート構造特質を生かしたピロティや陸(ろく)屋根、ガラス窓は近代建築典型となった。ローマ留学のころから手がけた産業都市の計画案は『工業都市』(1917)として出版され、後世に大きな影響を与えた。

[篠塚二三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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