カストロ(Rosalía de Castro)(読み)かすとろ(英語表記)Rosalía de Castro

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カストロ(Rosalía de Castro)
かすとろ
Rosalía de Castro
(1837―1885)

スペイン、ロマン主義の女流詩人。ガリシア地方に私生児として生まれる。早くから詩作を始め、ガリシア語による作品は『ガリシアの歌』(1863)、『わか葉』(1880)に収められている。故郷風土そのままの郷愁的トーン特色とし、その叙情性と地方擁護の姿勢は地方主義作品として近年評価が高まっている。代表作はカスティーリャ語による『サール河畔にて』(1884)で、名状しがたい魂の痛み、漠然とした死の強迫観念がガリシアの風景に託されて、激しい情感で歌われる。形式の斬新(ざんしん)さ、韻律の独創性により、グスタボ・A・ベッケルと並んでスペイン近代詩の先駆者と評される。

[有本紀明]

『『世界名詩集大成14 南欧・南米篇』(1960・平凡社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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