オーラフ(1世)(読み)おーらふ(英語表記)Olaf Ⅰ, Tryggvason

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーラフ(1世)」の意味・わかりやすい解説

オーラフ(1世)
おーらふ
Olaf Ⅰ, Tryggvason
(960ころ―1000)

ノルウェー王(在位995~1000)。ハラルド美髪(びはつ)王(ハラルド1世Harald Ⅰ。?―931?、在位885?~931?)の曽孫(そうそん)。キエフ大公聖ウラジーミルのもとで幼少期を過ごし、若きビーキング(バイキング)の首長としてバルト海、フリースラントイングランドスコットランドを略奪した。イングランドでは二度、デーン税Danegeldを要求し、エセルレッド無分別王(エセルレッド2世Ethelred Ⅱ。968?―1016、在位978~1016)との最初の締結文(991)が現存する。二度目の要求は、デンマーク王スベン双髥(そうぜん)王とともにロンドン攻撃をしたときになされた(994)。イングランドで受洗し(995)、ノルウェーのエーレ民会で王位につき、異教色の濃いトレンデラーグTrøndelag、ホロガランドHålogaland地方やアイスランドフェロー諸島を力でキリスト教化した。商業地ニダロスNidaros(今日のトロンヘイム)を建設し、教会を建立した。スボルズSvlð(場所不明)の海戦で、スベン双髥王とスウェーデンのオーロフ課税王Olof Skötkonungらに敗れ、当時最大規模を誇った軍船大蛇」号から海に身を投じて没した。

[荒川明久 2022年6月22日]

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