ウミフクロウ(読み)うみふくろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミフクロウ」の意味・わかりやすい解説

ウミフクロウ
うみふくろう / 海梟
[学] Pleurobranchus novaezealandiae

軟体動物門腹足綱カメノコフシエラガイ科のウミウシ類。本州以南の日本全土に分布するほか、ニュージーランド産の種も同一とされる。内湾でも外洋でも、潮間帯下から水深20メートルぐらいまでの泥底にすみ、体長100ミリメートルぐらい、体幅は45ミリメートルで、背中は黄灰色の地に褐色の網目模様があり、広い足の裏は紫褐色である。貝殻はなく、頭幕と外套(がいとう)の間に1対の触角があり、目はない。右側部が切れていてえらがある。ウミフクロウは肉食性で、タイラギの貝殻の中に滑り込んで肉を食べるといわれている。体が軽く足を左右にあおりながら泳ぐことができる。春季寒天質で紐(ひも)状の卵塊を産む。

[奥谷喬司]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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