ウスニン酸(読み)ウスニンサン

化学辞典 第2版 「ウスニン酸」の解説

ウスニン酸
ウスニンサン
usnic acid

C18H16O7(344.31).Usnea,Alectoria,Ramalina,Cetraria,Parmelia,Lecanora属など,地衣類にもっとも広汎に存在する抗菌性物質.生合成的には,2分子の2-アセチル-4-メチルフロログルシノールが酸化的に縮合して生成したと考えられる.天然には(+)-体と(-)-体のほか,ラセミ体が存在する.黄色の柱状結晶.融点203~204 ℃.+492°(クロロホルム).塩化鉄(Ⅲ)で赤褐色を呈する.[CAS 125-46-2:ラセミ体][CAS 7562-61-0:(+)-体][CAS 6159-66-6:(-)-体]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内のウスニン酸の言及

【サルオガセ】より

…主な種類には,地衣体が二叉分枝をくり返し,皮層にリング状の割れ目の多いヨコワサルオガセU.diffracta Vain.,皮層に赤色の色素をもつアカヒゲゴケU.rubicunda Stirt.などがある。 サルオガセ類はウスニン酸usnic acidを含み,松蘿(しようら),老君鬚(ろうくんしゆ)などと称して,利尿,解熱,去痰薬とする。【柏谷 博之】【新田 あや】。…

※「ウスニン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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