ウィンデクス(英語表記)Vindex, Gaius Julius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィンデクス」の意味・わかりやすい解説

ウィンデクス
Vindex, Gaius Julius

[生]?
[没]68.5. ベソンチオ
ローマ皇帝ネロの治世末期のガリア人の反乱指導者。アキタニアのガリア人の出で,祖先がローマ市民となり,みずからも元老院議員。ガリア・ルグドゥネンシス (ガリア北東部) 総督として,ネロの暴政に対し,元老院の伝統に帰ることを主張し,68年3月反乱を起した。ヒスパニアアフリカエジプトが呼応し,ネロは自殺に追込まれたが,ウィンデクスもライン方面でウェルギニウス・ルフスに敗れて自殺。

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世界大百科事典(旧版)内のウィンデクスの言及

【ガロ・ロマン時代】より

…この両者の平和的統合をいっそう促したのは,皇帝ティベリウスの下でのゲルマン族からのガリア防衛の成功と,ガリア市民階層の皇帝権への積極的協力であり,さらには皇帝クラウディウスによるガリア人への元老院(セナトル)貴族身分の開放であった。このようなガリアとローマとの政治的一体化を示す事件をあげれば,皇帝ネロと対立皇帝ガルバの政争が自由ガリアを求めるルグドゥヌムのウィンデクスVindexの反抗に反映し,また逆にライン軍団の支配地域のガリア北東部と元老院貴族が支配する南西部との地域間の対立がローマの政争に直結する。しかし,ゲルマン族侵入の脅威におびえた結果とはいえ,70年のドゥロコルトルム(ランス)のガリア属州会議は,ガリアの地域間の対立を解消し,皇帝トラヤヌスの下で軍隊と貴族とが和解した。…

※「ウィンデクス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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