インド・ステート銀行(読み)いんどすてーとぎんこう(英語表記)State Bank of India

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インド・ステート銀行」の意味・わかりやすい解説

インド・ステート銀行
いんどすてーとぎんこう
State Bank of India

インド最大の商業銀行。略称SBI。本店ムンバイ(旧ボンベイ)。1806年にカルカッタ銀行Bank of Calcuttaとして設立され、1809年にベンガル銀行Bank of Bengalと改称。1921年、ベンガル銀行はマドラス銀行とボンベイ銀行を統合してインド帝国銀行Imperial Bank of Indiaとなった。インド帝国銀行は通常の銀行業務のほか、政府資金の保管業務など中央銀行的機能も果たすようになり、1950年代中ごろには国内に461店舗、インドの全商業銀行預金額の23%、貸付額では20%のシェアをもつ圧倒的な存在であった。1955年、政府公認機関であるインド準備銀行Reserve Bank of Indiaがインド帝国銀行の株を取得してその企業支配力を確保すると、インド議会はSBIを設立してインド帝国銀行の業務を引き継がせる法案を可決した。業務を引き継いだSBIは、インド政府の開発政策に沿って農業商工業のための融資を展開した。外国為替(かわせ)や証券引受業務などの国際業務も拡大した。

 同行は七つの子会社と系列会社1社(SBI商業国際銀行)を傘下に擁し、ノンバンクの子会社を通して商業銀行のような金融サービス、政府証券の売買を行っている。たとえば、SBIキャピタル・マーケット社SBI Capital Markets LimitedやSBIギルツ社SBI Gilts Limitedは、グループの証券・投資部門を担っている。なお、2010年7月に、SBIとその子会社インドール・ステート銀行State Bank of Indoreとの合併がインド内閣により承認された。2008年の総資産は10兆2727億ルピー、預金総額は7兆7642億ルピー。従業員数17万9205人。2010年3月時点の国内支店数は1万2496、国外支店・事務所数は142と拡大している。

[上川孝夫・佐藤秀樹]

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