日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワヒゲ(ツツジ科)」の意味・わかりやすい解説
イワヒゲ(ツツジ科)
いわひげ / 岩鬚
[学] Cassiope lycopodioides D.Don
ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の常緑小低木。草状でよく枝分れして横にはう。葉は互生し、卵形の鱗片(りんぺん)状で小さく、茎に圧着して密につき、枝が紐(ひも)状になる。7月、葉腋(ようえき)から長さ2~3センチメートルの細い花柄を1、2本直立して出し、先に白色、鐘形の花が下向きに1個つく。花冠は長さ7~8ミリメートルで先が5裂し、萼片(がくへん)は5枚で雄しべは10本。果実は球形、径約3ミリメートルで上向きにつく。高山帯の岩の割れ目や礫地(れきち)に生え、本州の中部地方以北、北海道、千島からアラスカまで分布する。岩場に生え、茎が細いひげ状なのでイワヒゲという。イワヒゲ属は北半球の高山や寒帯に約12種分布する。
[小林義雄 2021年4月16日]