イチゴ状血管腫(読み)イチゴじょうけっかんしゅ(英語表記)Strawberry hemangioma

六訂版 家庭医学大全科 「イチゴ状血管腫」の解説

イチゴ状血管腫
イチゴじょうけっかんしゅ
Strawberry hemangioma
(子どもの病気)

 未熟な毛細血管が増加、拡張してできあがる鮮紅色腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)です。最初は小さな赤い斑点(毛細血管の拡張)であったものが、生後1~3カ月にかけて急速に大きくなり、6~12カ月で最大になります。その後、学齢期にかけて徐々に自然に消えてなくなることが多いといわれています。

 ただし、機能的に問題が生じるような眼瞼(がんけん)鼻腔、口唇、口腔、咽頭周囲、肛門周囲などに発症した場合や出血・潰瘍化を繰り返す場合などは、レーザー治療などを行う必要があります。レーザー治療を行う場合は早めのほうがよいといわれており、専門医に相談する必要があります。

 また、あまりにも巨大な場合(カサバッハ・メリット症候群)や多発する場合には、精密検査放射線療法、ステロイド療法を必要とすることがあります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

世界大百科事典(旧版)内のイチゴ状血管腫の言及

【あざ(痣)】より

…しかしながら新生児の上眼瞼や後頭部にしばしばみられる淡紅色斑は多くは1歳以前に消失する。イチゴ状血管腫angiomatous nevus∥strawberry markは生まれたときには認められないが,生後1ヵ月以内から徐々に鮮紅色ないし暗赤色のやわらかな腫瘤として盛り上がってくる。イチゴを半分に切って置いたような外観で,鮮やかな赤色を呈する。…

※「イチゴ状血管腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」