イスラム・マグレブ・アルカイダ(英語表記)al-Qaeda in the Islamic Maghrib; AQIM

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

イスラム・マグレブ・アルカイダ
al-Qaeda in the Islamic Maghrib; AQIM

アルジェリアを拠点とするイスラム武装勢力。北アフリカおよびサヘル地方で活動。1990年代のアルジェリア内戦に参加した武装イスラム集団 GIAの元メンバーが,1998年にサラフィスト布教聖戦集団 GSPCを結成。これがイスラム・マグレブ・アルカイダ AQIMの母体となった。GSPCはアルジェリア政府と戦闘を続ける一方,GIAで常習化していた自国民間人の殺害を中止した。2003年サハラ砂漠を観光で訪れたヨーロッパ人観光客 32人を人質にとった事件で注目される。同 2003年 GSPCの指導者兼創設者ハサン・ハッターブが,急進派のアブデルマレク・ドゥルークデルとナビル・サハラウィにより組織から追放された。2004年サハラウィがアルジェリア軍に殺害されたのち,ドゥルークデルが指導者に就任し,アルカイダとの協力関係を強化した。2006年アルカイダとの合流を発表。2007年 AQIMに改称。アルジェリアの高官や政府施設を相次いで攻撃。2007年12月にはアルジェの最高裁判所と国際連合事務所に突入する自爆テロを組織し,国連職員 17人を含む 40人以上が死亡した。またサヘル西部で国境を越えた積極的な活動も開始。ヨーロッパやアメリカ合衆国から軍事支援と対テロ戦争支援を受けるモーリタニアマリ,ニジェール政府軍との衝突に発展した。

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