アピナイェ(読み)あぴないぇ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アピナイェ」の意味・わかりやすい解説

アピナイェ
あぴないぇ
Apinayé

ブラジルのトカンティンス州に住む先住民集団。ジェ語族に属する言語を話す。現在、アマゾン川の支流トカンティンス川沿いにあるアピナイェス先住民区に住む。人口は718(1989)。アピナイェが住む地域は、熱帯雨林から丈の高い草と低木に覆われたサバナセラード)へと移り変わる地域である。アピナイェの文化、社会は北ジェ諸集団(カヤポ、ラムコカメクラなど)と非常に似通っている。出自は双系的であり、儀礼集団、年齢集団が重要な機能をもち、複雑な半族組織がある。かつては平行系という特殊な出自様式をもつとされていたが、これはキエという儀礼集団の成員権の伝達にのみかかわるものである。生業は焼畑耕作、狩猟漁労採集である。アピナイェの居住地域に、近年ブラジル人の牧場が進出してきており、摩擦が増えている。

[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアピナイェの言及

【ジェ】より

…ジェ語族と分類されている言語を話す部族の総称で,北,南,中央の三つに大きく分けられる。北にはカヤポ,スヤ,アピナイェなど,中央にはシャバンテ,シェレンテ,南にはカインガン,ショクレンが含まれている。また,マト・グロッソ州のボロロもジェと近縁である。…

※「アピナイェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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