アスベスト(石綿)による健康障害

六訂版 家庭医学大全科 の解説

アスベスト(石綿)による健康障害
(中毒と環境因子による病気)

 アスベストは、天然に産する繊維状ケイ酸塩鉱石で、耐摩性、耐熱性などに優れ、スレート剤、ブレーキライニング、断熱剤、保温剤、とくに9割以上が建材に用いられていました。しかし、多くの健康に関する影響が明らかになり、現在では全面的に使用が禁止されました。今後問題となるのは、かつて曝露された人や、建物の解体作業による曝露者です。主な病気には図7表15に示したものがありますが、いずれも潜伏期間が10~40年と極めて長く、長期にわたる監視が大切です。

 アスベストに関係する仕事をしていた人には、年2回の健康診断と定年後も毎年の健康診断(健康管理手帳制度)が行われます。また、一般の方で近隣のアスベスト工場からアスベストを吸入した可能性があり、咳、呼吸困難などの症状のある人や、とくに心配な方は近隣の労災病院などの専門医療機関で相談してください。アスベスト労災者の健康障害に対しては、労災補償制度があり、一般の方にも補償救済制度があります。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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