日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アシュトン(Thomas Southcliffe Ashton)
あしゅとん
Thomas Southcliffe Ashton
(1889―1968)
イギリスの経済史家。マンチェスター大学を卒業、シェフィールド大学、バーミンガム大学を経て母校マンチェスター大学に戻り、1938~1944年には商業・経営学部部長を務めた。また、1938~1940年にはマンチェスター統計協会理事長の職にもあった。1944年ロンドン大学の経済史教授となり、1954年退職後も同大学名誉教授。その後1960~1963年にはイギリス経済史学会会長も務めた。経済史研究に計量的方法を導入したこと、産業革命は労働者、農民の生活水準を着実に向上させたとする「楽観説」の代表的論者として知られる。著書に『産業革命 1760―1830年』The Industrial Revolution 1760―1830(1948)などがある。
[千賀重義]