アギナシ(読み)あぎなし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アギナシ」の意味・わかりやすい解説

アギナシ
あぎなし / 顎無
[学] Sagittaria aginashi Makino

オモダカ科(APG分類:オモダカ科)の多年草で日本特産種。原野の沼沢地に抽水して自生種子またはむかごで越冬する。外形はオモダカに似るが走出枝をつくらず、葉身の側片の先端鈍頭で、秋ごろ葉柄基部の内側に卵状のむかごを多数つくるので区別できる。成葉は矢じり形で幼葉は長楕円(ちょうだえん)形。幼葉が単純で側片ができないことから顎無(あごな)しという。

[大滝末男 2018年9月19日]

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世界大百科事典(旧版)内のアギナシの言及

【オモダカ(沢瀉)】より

…走出枝の先にできる球茎が大きく,径3~5cmになる。近縁のアギナシS.aginashi Makino(イラスト)はオモダカによく似ている。走出枝をつくらず,葉柄の腋(わき)に多数の小球茎をつける。…

※「アギナシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」