なはます

精選版 日本国語大辞典 「なはます」の意味・読み・例文・類語

なはま・す

〘他サ特活〙 (「なされます」の変化した語) 大坂新町の遊女語。
① 「する」の意の尊敬語。なさいます。
洒落本・浪花色八卦(1757)桐薹卦「此所炭火の有た時から風流今にかわらず、どうなはませ、かうなはませのことばつがひ」
② 動詞連用形に付け、補助動詞的に用いて、尊敬の意を表わす。…なさいます。
浄瑠璃関取千両幟(1767)一「ようこそ礼三を可愛がってやりなはます、私は婆(ばば)の事なれば増す花のお前様(さん)、お楽みなはませ」
[語誌](1)「なされます」が「なます」に変化する過程で発生した。活用は「なます」と同じと考えられる。
(2)遊女や遊里の女性が客に対して用いた語で、宝暦頃(一七五一‐六四)には大坂新町ですでに「なます」とともに使われている。「なます」の勢力拡大とともに姿を消した。

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