たわいない

精選版 日本国語大辞典 「たわいない」の意味・読み・例文・類語

たわい‐な・い

〘形口〙 たわいな・し 〘形ク〙
① 酒に酔ったり、寝入ったりして正体がない。正気がない。たわいがない。
評判記難波鉦(1680)二「さけにたわいないほどゑいてから」
② 考えにしっかりしたところがない。幼くて思慮分別がない。ごまかしたり、言いくるめたりするのが簡単である。たわいがない。
洒落本・風俗八色談(1756)一「病家もたはひなければ、学問が有て巧者でも、衣類も麁相(そさう)に見形(なり)もわるく」
腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉一「有ふれた旦那のやうにたわいなく鼻毛をよまれてゐるのではない」
③ 相手とするのに容易である。手ごたえがない。張り合いがない。たわいがない。
※俳諧・俳諧次韻(1681)「昼夢の食たく程に夕ぐるる〈其角人死を待て生たはいなし〈芭蕉〉」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「何でもたわいない吟味のあった後で、組頭牢中切腹を申し付けられた」
たわいな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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