しみじみ

精選版 日本国語大辞典 「しみじみ」の意味・読み・例文・類語

しみ‐じみ

〘副〙 (「しみしみ」とも。「染み染み」の意。多く「と」を伴って用いる) 心に深くしみとおるさまを表わす語。
① 心に深く感じいるさまを表わす語。しんみり。
※右京大夫集(13C前)「いづかたにか経のこゑほのかにきこえたるもいたく世の中、しみしみと物がなしくおぼえて」
② お互いの心にしみ入り、打ちとけて物静かなさまを表わす語。しんみり。
※虎明本狂言・連歌盗人(室町末‐近世初)「爰にてはしみしみと談合がなるまひ、おくへまいってちと談合いたさう」
③ 心からそのように思うさまを表わす語。つくづく。よくよく。本当に。
洒落本・交代盤栄記(1754)「ぶすいな客衆をも皮切より五臓にしみしみと嬉しがらするは」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「幇間(おたいこ)だの、神だのといふ者がしみじみにくいよ」
④ 寒さなどが身に深くしみとおるさまを表わす語。
※俳諧・暁台句集(1809)秋「しみしみと夜寒き蜘のあゆみかな」
⑤ じっと相手をみつめるさまを表わす語。
※洒落本・文選臥坐(1790)東北の雲談「わたくしはまだ綾越さんや玉しきさんをば、度々間違ってしみじみと見ません」
⑥ 心からいやで、つらいさま、こりごりであるさまを表わす語。
歌舞伎男伊達初買曾我(1753)三「わしゃ、お前に見立てられる事は染々(シミジミ)ぢゃぞえ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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