化学辞典 第2版 「ざくろ石(族)」の解説
ざくろ石(族)
ザクロイシゾク
garnet(group)
[X3Y2Si3O12](X = Fe2+,Ca2+,Mg2+,Mn2+,Y = Al3+,Fe3+,Ti3+,Cr3+).変成岩に多く産出し,火成岩にも見いだされる.単位格子内に8個の基本組成が含まれる.立方晶系,空間群 Ia3d,格子定数 a = 1.1459~1.216 nm.モース硬さ6~7.5.屈折率1.675~1.86.色は赤,黒緑色,黄色,ピンク,白.独立したSiO4の四面体を二価のXイオンと三価のYイオンが結びつけている構造をとるネソケイ酸塩.X,Yの化学組成の違いにより,アルマンディン(FeⅡ3Al2Si3O12),アンドラダイト(Ca3(FeⅢTi)2Si3O12),グロシュラ(Ca3Al2Si3O12),パイロープ(Mg3Al2Si3O12),スペサルチン(Mn3Al2Si3O12),ウバロバイト(Ca3Cr2Si3O12),ハイドログロシュラ(Ca3Al2Si2O8(SiO4)1-m(OH)4m)が知られている.しかし,天然には,それらの固溶体としての中間成分のものが広く存在する.フッ化水素酸に微溶,ハイドログロシュラは塩酸,硝酸に可溶.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報