さめざめ(読み)サメザメ

デジタル大辞泉 「さめざめ」の意味・読み・例文・類語

さめ‐ざめ

[副]
しきりに涙を流して静かに泣くさま。「さめざめと泣く」
心にしみるようなことをしみじみと言うさま。
「ひたぶるに世を思ひすごし心のほどかきつくし、うち泣き、―とのたまひて」〈浜松・五〉
[類語]しくしくめそめそひいひいよよおいおいわあわあわんわん

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精選版 日本国語大辞典 「さめざめ」の意味・読み・例文・類語

さめ‐ざめ

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① しきりに涙を流して静かに泣くさまを表わす語。
更級日記(1059頃)「これ見ればあはれに悲しきぞとて、さめざめとなき給ふを見れば」
② 深く心にしみるさま、しみじみと言うさまを表わす語。つくづく。
※浜松中納言(11C中)五「ひたぶるに世を思ひすごし心のほど〈略〉さめざめとの給て」
※俳諧・父の終焉日記(1801)五月一八日「必、心労なりなどと思ひてくれなよと、さめざめとおほすに」
意識がはっきりとして、冷静なさまを表わす語。
御伽草子・秋の夜の長物語南北朝)「浮世の夢のさめさめと、人を問ふ度ごとに袖なる月もぬるるかほなれば」

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