この人にしてこの病あり(読み)このひとにしてこのやまいあり

故事成語を知る辞典 「この人にしてこの病あり」の解説

この人にしてこの病あり

立派な人が重い病気になることを嘆くことば。転じて、才能のある人物なのに、色欲などの欠点のために、才能を十分には発揮できないことのたとえ。

[使用例] 壮年の頃江戸へ出て、根岸お行の松へ道場を構え、大いにそくばそうとしたが、この人にしてこの病いあり、女は好き酒は結構、勝負事は大好物、取れた弟子も離れてしまい[国枝史郎*名人地獄|1925]

[由来] 「論語よう」に見える孔子のことばから。弟子のはくぎゅうが重い病気にかかった際、見舞いに訪れた孔子はその手を取って、「の人にしてやまい有り(こんなに立派な人が、こんなに悪い病気にかかるなんて)」とくり返して言い、過酷な運命を嘆いたのでした。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android