こくそ漆(読み)こくそうるし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「こくそ漆」の意味・わかりやすい解説

こくそ漆
こくそうるし

こくそ」には木屑木屎、刻苧の字をあてることもある。枯死し腐朽した樹木を臼(うす)で搗(つ)き砕いて細かい粉末としたものや、鋸(のこぎり)のひき粉などを漆と混ぜてペースト状にしたもの。古くは抹香の粉末も混ぜたという。彫刻の場合、乾漆像の仕上げ、細部表現、あるいは木彫の彫りすぎた部分の盛り上げなどに用いるほか、木彫の漆下地や漆工品の素地(きじ)のすきまの充填(じゅうてん)用にも用いる。

[佐藤昭夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android